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企業における Linux デスクトップ・パソコンのシステム構成

 企業において業務を行うコンピュータとしては、ほとんど Windows パソコンが使われています。 企業において Linux パソコンを使用しようとすると、これらの既存の Windows パソコン を Linux パソコンに置き換えていくことになります。 いままで Windows パソコンで使用していたアプリケーションやプリンタなどの周辺機器を Linux に対応したものに置き換えて使用することになるので、そのためのシステム構築と運用に工夫が求められます。
 また、Linux パソコンの段階的な導入を行いますので、Windows パソコンと混在した状態で企業システム全体を支障なく動かす必要があります。

●Linux パソコンを使用するメリットと目的
(1) Linux OS、オープンソースのアプリケーションを使用するので、ライセンス・コストが発生しません。
(2) Linux は比較的低スペックのパソコンを使用できるので、ハードウェア・コストの削減ができます。
(3) Linux デストリビューションとアプリケーションの選択肢が広いので、アップデート・バージョンアップによるマイクロソフト社などへのロックインを回避することができます。
(4) パッケージ管理システムによりソフトウェアのインストール・アップデートを、ソフトウェアやライブラリの依存関係を考慮して一括管理することができます。
(5) Windows のウイルスは Linux では動作しません。 ウイルス以外のマルウェアについても、ルート(管理者)権限が与えられることはないので実行されません。 Linux は Windows と比較して、セキュリティの面では安心して使用できます。
(6) [Linux パソコンの使用開始] → [OS・アプリケーションのアップデート] → [ハードウェアの老朽化に伴うハードウェア・OS・アプリケーションの更新とデータ移行] に至るライフサイクルを企業の実情に応じて計画することが可能です。
(7) 業務で使用するコンピュータ・システムを自社で選択した Linux OS とアプリケーションで構築し運用することは、それなりの苦労があるでしょう。 しかしながら、先進の技術と運用ノウハウを身につけることで、自社でシステムを構築・運用していくという企業意識が確立され、安定した継続的な業務システムの運用・管理・改善が実現できるはずです。


●Linux パソコンと Windows パソコンによるシステム構成


・Linux パソコン
Linux 用アプリケーション
 Linux 用のパッケージ・ソフトをインストールして使用します。
業務アプリケーション
 企業の業務を実行するためのアプリケーションを自社あるいは外部の業者を使用して LibreOffice、JavaFX などで開発します。 既に Windows パソコンで業務アプリケーションを使用している場合、共通のデータベースを使用することを考慮して開発する必要があるかもしれません。
VNC サーバ
 管理用 Linux パソコンからのリモートデスクトップに使用します。 VNC はマルチユーザで動作しますので、管理用 Linux パソコンからリモート接続中でも、ローカルユーザはデスクトップ作業を続行できます。
rdesktop
 Windows パソコンへのリモートデスクトップ接続用です。 Linux に互換ソフトがない Windows 用のアプリケーション (会計、給与、販売管理ソフト、独自開発した業務アプリケーションなど) をリモートデスクトップ上で実行します。
skype
 無料で利用できるインターネット電話サービスです。 管理用 Linux パソコンと接続して 通話・チャット・画面共有 によるヘルプデスク・サポートを行います。
ネットワーク・プリンタ
 Samba のプリンタ共有機能を利用して Windows パソコンに接続されている共有 PostScript プリンタを使用します。

・Windows パソコン
Windows 用アプリケーション
 Linux で使用できる互換ソフトがないもの (会計、給与、販売管理ソフトなど) 。
業務アプリケーション
 Visual Basic、Access などで独自開発したもの。
Microsoft Office
 Word、Excel など。 Linux のオフィスソフトで対応できない場合 (外部に提出するレイアウトが複雑な Word 文書の作成など) に使用します。
共有 PostScript プリンタ
 Linux パソコンから Samba のプリンタ共有機能を利用してネットワーク・プリンタとして使用されます。 Linux パソコンからは PostScript データを送り、実際の印刷は Windows のプリンタ・ドライバを使用します。
PostScript プリンタについては Lx-Desktop ご利用ガイド [プリンタ] を参照してください。
バックアップ用ストレージ
 Linux パソコンから Samba のファイル共有機能を利用してのバックアップ保存用として使用します。

・管理用 Linux パソコン
VNC クライアント
 Linux パソコンへのリモートデスクトップ接続に使います。
rdesktop
 Windows パソコンへのリモートデスクトップ接続用です。 Linux に互換ソフトがない Windows 用のアプリケーション (会計、給与、販売管理ソフト、独自開発した業務アプリケーションなど) をリモートデスクトップ上で実行します。
skype
 無料で利用できるインターネット電話サービスです。 Linux パソコンと接続して 通話・チャット・画面共有 によるヘルプデスク・サポートを行います。
OpenVPN サーバ
 社外の Linux パソコンからのインターネット VPN 接続を行い、リモートデスクトップ操作を行います。
OpenVPNはインターネット上に仮想的にネットワークを構築して、NATルータやファイアウォールを越えた接続を可能にするソフトウェアです。


  [ Linux デスクトップ・パソコンの導入手順 ]
 企業において Linux デスクトップ・パソコンを導入するためには、現在 Windows パソコンで行っている業務を Linux パソコンでどのように行っていくか移行手順を計画することが必要です。 まず、1台の Linux パソコンをテスト導入して Windows パソコンからの移行のために必要な事項の確認を行います。
 Windows パソコンで実行しているアプリケーションや使用している周辺機器のすべてを Linux パソコンに移行することが不可能な場合は、最小限の Windows パソコンを残します。 Linux パソコンからリモートデスクトップで、この Windows パソコンを操作します。 管理用の Linux パソコンも別途必要になります。 このあたりは、企業におけるシステムの運用上の問題として解決できるか確認する必要があるでしょう。
 このテスト導入段階で企業システムの運用として適切でないと判断されるならば、 Linux デストクップ・パソコンの導入は諦めざるを得ません。

確認事項
周辺機器 プリンタ、スキャナ、デジカメ などの Linux 対応ドライバを取得します。 実際に周辺機器を設置して、取得したドライバをインストールして動かしてみます。 業務に必要な出力結果を得られるか確認してください。
オフィスソフト LibreOffice と MS Office との文書の互換性が許容できる程度か確認します。
Office 文書の互換性については Lx-Desktop ご利用ガイド [Office文書の互換性] を参照してください。
業務アプリの移行 Windows パソコンにて動作している独自開発した業務アプリケーションと同等の機能を持つアプリケーションを Linux 上で LibreOffice、JavaFX などを使用して開発できるか検討してください。
リモートデスクトップ Linux パソコンへの移行ができないアプリケーションはリモートデスクトップで接続して、Windows パソコン上で実行します。 このような運用が可能か確認してください。
ヘルプデスク Linux でのアプリケーションの操作方法は Windows とは異なるところがあります。 Linux パソコンを使用するユーザが操作方法について問い合わせることのできるヘルプデスクを置き、人員(兼任でも可)を配置できるか検討してください。

 1台の Linux パソコンの導入から始まって、順次 Linux パソコンの割合をふやしていくことになります。 しかしながら、現実にはアプリケーションの互換性が完全でないこと および Linux に対応していない周辺機器が存在することから、Windows パソコンを完全になくすことは困難でしょう。
 従って、Windows パソコンと Linux パソコンを共存させてそれぞれ使いこなしていくという運用方法が必要です。 そのためには、特に Windows との互換性について Linux の運用ノウハウを開発していくことが不可欠となります。




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